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倉田奨励金 受領者の声
倉田奨励金をいただいて、電気力学天秤という世界的にも非常にユニークな研究開発を進めることができました。当初の研究は地球の大気、気候変動に関連する研究で、もちろん本研究も大きく進展したのですが、その後、惑星の研究を行っている研究者が私の研究に興味を示してくださり、その研究チームとの共同研究に繋がりました。最近は金星のエアロゾルの研究を行っており、地球環境の研究から惑星の研究へフィールドが大きく広がりました。 研究助成をいただいたことで、新たなフィールド、共同研究への発展に繋がる、大きな影響があったと感じています。
私事になりますが、8年前、大病を患い身体が不自由になりました。外出しての活動が難しくなり、研究生命が絶たれたと感じていたのですが、そのような中、倉田奨励金に応募し採択されました。研究テーマは「膨大な位置情報付きツイートから地域課題は見つかるか?」というビッグデータを活用するもので、インドアで行うことが可能な研究です。このようなインドアでの研究でも認めていただけるのだということが、研究を続けるきっかけとなり大変有難かったです。 今後の研究については、同じくビッグデータを使い、深刻化しているオーバーツーリズムの問題を解消し“観光のお医者さん”になりたいと考えています。
研究費の獲得は研究者にとって死活問題です。倉田奨励金も非常に厳しい採択率だと伺いましたが、年々研究費を獲得することが難しくなってきていることを肌で感じています。科学技術の世界は日進月歩で、研究をすすめていく段階でどんどん新しい発見があり、チャレンジしたいこともたくさん出てきますが、そういった時、自由に使える研究助成金は大変ありがたい存在です。自身の研究を深めていくこと、広げていくことに非常に役立ちます。 また異分野との連携、海外との国際共同研究は、日本が世界をリードするためにも必要不可欠だと思いますので、倉田奨励金の贈呈式で異分野の研究者と交流する機会をいただけることも大変有難いことだと感じました。
様々な分野の研究者の発表を聞いていると、この視点は経済学でも使えるのではないか?といった点が多くあります。例えばこのデータはこのように活用するのか、といった気づきがあり、そこからより新しい研究の進め方に繋がっていきます。 私の研究は大規模データを使う、サイエンスの発想に近いものであることから、理系の分析方法と重なる部を有しています。倉田奨励金は人文・社会と自然科学・工学と、二つの部門に助成をされていますが、そういった分野間のインタラクションがあると、お互いに良い影響を与えながら研究が広がっていくのではないだろうかと感じています。今後もぜひ、両部門への支援を継続していただければ有難いです。